外谷希「囲い -空間を感じる-」
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今回の敷地である谷中には多数のお寺や神社があり、これらで用いられている木組みという技術からヒントを得て設計に取り入れていった。
また、計画敷地の周りには谷中銀座という商店街や、谷中霊園もあり散歩道として知られているということから、谷中らしいプログラムとして気軽に休憩出来るような空間を作りたいと考えた。
これら谷中らしい空間を利用する外部の人と住宅で生活をする内部の人に、空間的な交わりが生まれるような住宅を作りたいと考え今回この提案をした。
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内部は3つの囲いから構成されており、これらの重なりなどから子ども部屋、リビング、ダイニングと様々な空間を作っていった。
3つの囲い内はそれぞれ床の高さが1mずつ異なり視線が抜ける高さになっていることから、子どもが勉強や遊んでいるところなどを感じられ家族間でのつながりも生まれる。
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立面図からも分かるように囲いはそれぞれ違う高さで組み合わさっており、真ん中の囲いには家族が集まるダイニング、リビングや子ども部屋があるため目を細かくすることで他の囲いに比べて外との繋がりを感じにくくし、落ち着ける空間になっている。
また、1階に位置するカフェスペースと住居空間は吹き抜けとして繋がっており、住んでいる人が下で賑わっている様子を空間的に感じられ、コンセプトとしていた「カフェに訪れる外部の人と、中で生活をしている内部の人の空間的な交わり」を実現した。
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囲いを壁からあえて外に出すことで、カフェなどに訪れた人の内部空間への想像力をかきたてる。
カフェスペースは一部囲いで囲われただけの外テラスになっており、木に囲われた空間でゆっくり休憩ができるようになっている。
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外テラスの他に室内には真ん中の囲いを境とした和室があり、小さい子なども一緒にお茶ををしながら休憩出来るようなスペースになっている。
一部には期間限定で商品が入れ替わるpop up storeもあり、近くに住む人たちも新しいものを楽しみに訪れてもらえるような場所になると嬉しい。
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角度によって見え方が変わり、外からでも様々な楽しみ方が出来るような住宅となっている。
講評:外谷さんの作品は、木組みを空間を仕切るエレメントとして捉え、木組みのBOXを重ね合わせていくことで空間を作っています。木組みの密度を操作することで、境界の強度を変化させ、プライベートの領域をコントロールしています。外壁のシェルと木組みのBOXの隙間に生じた余白の空間がとても豊かであり、住宅のどの場所に行っても、性格の異なるさまざまな場所が生まれ、とても豊かな住環境となっています。1階のカフェと上階にある住空間の空間的な繋がりは、人の賑わいを感じながら生活するという独特なコンセンプトにより生まれてきています。このカフェと住空間の関係性については、いろいろなアイデアを組み込むことができるので、少し考えてみると新しい形態が発見できるかと思います。(原)